USCPA取得後のキャリア|監査・会計アドバイザリー・国際税務から独立起業へ

USCPA

はじめまして。パラゴンです。

USCPA(米国公認会計士)とCPA Australiaの資格を持ち、これまで豪州の飲食ビジネス、経理、Big4の監査・会計アドバイザリー・国際税務という、少し変わったキャリアを歩んできました。

そして現在は、その経験を会社員としてのキャリアだけで終わらせず、日本と豪州をつなぐ事業づくりに挑戦しています。

USCPAを取ってから何が一番変わったのか。

振り返ってみると、年収や肩書そのものよりも、「次のキャリアを選べるようになったこと」だったと思います。

ただし、資格を取った瞬間に人生が変わったわけではありません。USCPAは、持っているだけで理想の仕事を運んできてくれる魔法の資格ではないからです。

資格を入口にして実務経験を積み、自分の過去の経験や英語力と組み合わせる。その積み重ねによって、少しずつ選択肢が増えていきました。

この記事では、私のこれまでのキャリアを紹介しながら、USCPAを取った後にどのように経験を重ねれば、自分なりのキャリアにつなげられるのかをお伝えします。

単なる自己紹介ではなく、次の一歩を考えている方にとって、何か一つでも参考になる記事になればうれしいです。

この記事でお伝えすること

  • USCPA取得後に私が歩んできたキャリア
  • 資格だけでは越えられない「実務経験」の壁
  • 監査・会計アドバイザリー・国際税務で得たもの
  • 英語や海外経験を専門性と組み合わせる考え方
  • USCPAを会社員のキャリアから事業へつなげた理由

キャリアの自己紹介

最初に、これまでの流れを簡単にまとめます。

時期経験得られたもの
オーストラリア時代大学院留学で会計学修士課程を修了、飲食店の現場・経理英語、異文化環境、事業と数字のつながり
帰国後監査法人会計・監査の基礎、企業を見る視点、プロフェッショナルとしての仕事の進め方
その後Big4で会計アドバイザリー会計を使って企業の課題解決を支援する視点
現在までBig4税理士法人で国際税務国境をまたぐ取引、税務、企業の意思決定に対する理解
現在日本ではインバウンドや日豪クロスボーダー事業、オーストラリアにも現地プロフェッショナルファームを設立準備中CPA資格・海外経験・実務を「事業の軸」に変える挑戦

こうして並べると一本の線に見えますが、最初から完成したキャリアプランがあったわけではありません。

むしろ、その時々で目の前の仕事に向き合いながら、後からそれぞれの経験がつながってきた、という感覚の方が近いです。

キャリアの出発点は、オーストラリアの飲食ビジネス

私のキャリアは、最初から監査法人や税理士法人で始まったわけではありません。

オーストラリアには通算で約7年間滞在し、会計学修士課程を修了しました。現地の勤め先だった飲食業を営む会社では、経理だけでなく店舗の現場も経験しています。

飲食店の現場では、売上や原価、人件費が単なる会計科目ではなく、日々のオペレーションの結果として動いていることがよく分かります。

お客様の入り方、スタッフの配置、仕入れ、廃棄、メニュー構成。現場で起きていることが数字に表れ、数字の変化には必ず現場の理由があります。

後に監査や税務の仕事に移ってからも、この感覚は残りました。

財務諸表を「正しいかどうか」だけで見るのではなく、その数字の向こう側で事業がどう動いているのかを考える。これは、飲食の現場と経理の両方を経験したからこそ身についた視点だと思います。

一見すると遠回りに見える経験でも、後から専門性と組み合わさることで、その人にしかない強みになることがあります。

過去の経験は、次のキャリアに持っていけない荷物ではありません。意味づけを変えれば、差別化の材料になります。

USCPAは、英語・会計・海外経験をつなぐ「軸」になった

私にとってUSCPAは、英語、会計、海外での実務経験という、それまで別々に見えていた要素を一本につなぐ軸になりました。

USCPAを取得したことで、監査法人という新しいキャリアへの入口が見えました。そこから、監査、会計アドバイザリー、国際税務へと経験を広げていくことができました。

一方で、実際に働き始めてすぐに分かったこともあります。

それは、資格があることと、実務ができることは別であるということです。

資格は、知識や努力を一定の形で示してくれます。未経験の分野へ移る際には、書類選考や面接の扉を開く力にもなります。

しかし、入社後に求められるのは、仕事を期限までに進めること、分からない点を整理して質問すること、相手に伝わる資料を作ること、チームやクライアントと信頼関係を築くことです。

USCPAを取っても、「実務経験がない」という事実が消えるわけではありません。

だからこそ、合格やライセンス取得をゴールにせず、資格を使ってどの実務経験を取りにいくのかまで考えることが重要だと思います。

監査法人で学んだのは、会計知識だけではない

帰国後はBig4監査法人に入り、約3年半、監査業務に携わりました。

監査法人で身についたのは、会計や監査の知識だけではありません。

企業の取引を証拠に基づいて理解すること。数字に違和感があれば、その原因を一つずつ確かめること。重要な論点を整理し、第三者が見ても分かる形で記録すること。限られた時間の中で、チームとして品質を守ること。

こうした仕事の基本は、その後の会計アドバイザリーや税務、そして現在の事業づくりにもつながっています。

監査は、完成した財務諸表を確認するだけの仕事に見えるかもしれません。しかし実際には、会社の取引、業務プロセス、内部統制、経営上のリスクを幅広く理解する必要があります。

将来どの分野に進むとしても、企業を構造的に見る視点を磨けることは、監査法人で働く大きな価値の一つだと感じています。

会計アドバイザリーと国際税務で、専門性の幅が広がった

監査の後は、会計アドバイザリーの仕事を経験し、その後は国際税務の領域に移りました。

会計アドバイザリーでは、決められた基準に照らして確認するだけでなく、企業が抱える会計上の課題を整理し、解決に向けて支援する視点を学びました。

国際税務では、一つの取引でも複数の国や制度が関わり、契約や取引の設計が税務上の結果にも影響することを実感しました。

監査、会計アドバイザリー、税務は、それぞれ異なる専門領域です。

ただ、私の中ではすべて「数字とルールを使って、企業活動を理解し、意思決定を支える仕事」としてつながっています。

この経験から感じるのは、早い段階で自分の専門領域を一つに決め切る必要はないということです。

まずは一つの領域で土台をつくり、その隣にある分野へ少しずつ広げていく。その方が、自分に向いている仕事や、将来組み合わせたい専門性が見えやすくなります。

英語は、それだけでキャリアになるのではなく、専門性を広げる力になる

USCPAを目指す方の中には、英語を使って働きたい、海外に関わる仕事をしたいと考えている方も多いと思います。

私自身、英語とオーストラリアでの経験はキャリアの大きな土台になっています。

ただ、実務を通じて感じたのは、英語力だけで仕事の価値が決まるわけではないということです。

会計、監査、税務、M&A、事業開発など、何らかの専門性があり、それを英語でも扱えることで、仕事の範囲が大きく広がります。

私の場合は、次のような掛け合わせが少しずつできてきました。

会計・監査の基礎 × 国際税務 × 英語 × オーストラリアでの実務経験

英語を単独の強みにしようとするよりも、「自分は何の専門家で、それを英語で誰のために使うのか」を考える方が、キャリアの方向性は明確になります。

USCPAを「キャリアの軸」から「事業の軸」へ

現在は、これまでの経験を使い、日本とオーストラリアをつなぐ事業づくりに挑戦しています。

一つは、私が創業したパラゴン・ジャパン株式会社の事業ブランド、Paragon Global Partners(PGP)です。

PGPのコンセプトは、「日本と豪州をつなぐ、飲食事業開発。インバウンドから海外進出、M&Aまで。」です。

現在は、日本の飲食店のインバウンド集客支援を最初の事業として準備しています。英語のホームページやメニューを作ること自体を目的にするのではなく、外国人旅行者がGoogle Mapsなどで店を見つけ、料理や価格を理解し、予約し、迷わず来店・注文できるところまで、集客と受け入れの導線を整える仕事です。

その先に、日本の飲食企業によるオーストラリア1号店の出店支援や、日豪間の飲食M&Aがあります。インバウンドと海外進出を別々に捉えるのではなく、日本の飲食ビジネスを英語と海外へつなぐ一つの流れとして支援していきたいと考えています。

もう一つは、オーストラリア人のビジネスパートナーとシドニーで設立を準備しているプロフェッショナルファームです。オーストラリアおよび国際市場で事業を行う企業を、会計税務を中心にアドバイザリー事業として提供することを構想しています。

まだ完成した成功談ではありません。

むしろ、資格や実務経験をどうすれば顧客への価値に変えられるのかを、これから実践していく段階です。

それでも、この挑戦ができるのは、USCPAを起点に監査、会計アドバイザリー、国際税務、英語、海外経験という要素を積み重ねてきたからだと思います。

以前の私にとってCPAは、転職やキャリアアップのための資格でした。

今は、専門性への信頼をつくり、人や企業と協働し、事業を生み出すための軸へと変わりつつあります。

USCPA取得後のキャリアを考えるときに、大切だと思う5つのこと

ここまでの経験から、USCPA取得後のキャリアを考える際に大切だと思うことを5つにまとめます。

1.資格の次に取りたい「経験」を決める

監査を経験したいのか、事業会社の経理に入りたいのか、M&Aやアドバイザリーへ進みたいのか。資格取得後の最初の数年で何を経験したいかを考えると、転職先を会社名や年収だけで選びにくくなります。

2.未経験であることを前提に、入口を設計する

USCPAがあっても、実務経験の差がなくなるわけではありません。最初から理想のポジションだけを狙うのではなく、どこから入れば必要な経験を積めるのかを考えることが重要です。

3.過去の経験との掛け合わせを考える

経理、営業、IT、製造、金融、海外生活など、これまでの経験は無駄になりません。USCPAと何を組み合わせるかによって、同じ資格を持つ人との違いが生まれます。

4.英語を「目的」ではなく「専門性の拡張手段」にする

英語を使うこと自体をゴールにせず、自分の専門性を誰に届けるために英語を使うのかを考える。その視点があると、海外案件やクロスボーダー業務との接点をつくりやすくなります。

5.3年後、5年後に何を選べる状態になりたいかを考える

キャリアの正解は一つではありません。大切なのは、次の転職先だけでなく、その経験を積んだ後にどのような選択肢が増えるかを見ることです。

私自身のキャリアを一行で表すなら、次の流れになります。

英語・海外 →資格 →転職→ 実務経験 → 専門性 → 事業

すべてを同時に手に入れる必要はありません。一つずつ積み重ねながら、自分にしかない組み合わせをつくっていけばよいと思います。

よくある質問

USCPAを取れば、希望する仕事へ転職できますか?

資格は転職の可能性を広げますが、転職を保証するものではありません。年齢、これまでの経験、採用市況、希望する職種によって難易度は変わります。資格そのものだけでなく、「これまで何をしてきたか」「入社後にどう貢献できるか」を言葉にする準備が必要です。

USCPA取得後は、まず監査法人へ行くべきですか?

監査法人は有力な選択肢の一つですが、全員にとっての正解ではありません。将来、会計・監査の基礎を強くしたいのか、事業会社で経営に近い経験を積みたいのか、アドバイザリーへ進みたいのかによって選択は変わります。勤務先の名前より、そこで得られる経験から逆算することをおすすめします。

USCPAがあれば、海外で働けますか?

USCPAは海外や英語を使う仕事との接点をつくりやすい資格ですが、資格だけで現地就職や就労資格が得られるわけではありません。実務経験、英語でのコミュニケーション力、各国の採用事情やビザなども別に考える必要があります。

このブログで、これから発信していくこと

このブログでは、主に次のテーマを扱っていきます。

  • USCPA取得後のキャリアと転職
  • 監査法人、会計アドバイザリー、国際税務の実務で学んだこと
  • 英語と専門性を組み合わせる方法
  • オーストラリアでの生活・仕事
  • 日豪クロスボーダー事業を作っていく課程
  • CPA資格を使った起業とプロフェッショナルファームづくり
  • 日本企業のオーストラリア進出と日豪M&A

完成した成功談だけではなく、その途中で何を考え、どう判断し、何がうまくいかなかったのかも含めて、できる限り実体験ベースで書いていくつもりです。

Xでは日々の気づきや進捗を短く発信し、このブログでは、その背景にある考え方や経験をもう少し深く掘り下げていきます。

まとめ:USCPAは「取った後」を考えられる資格

USCPAを取ったら、それだけで人生が変わる。

私は、そうは思っていません。

ただ、資格を取得したことで新しい実務に挑戦でき、その経験が次の専門性につながり、英語や海外経験を活かせる場面が増えました。そして今は、それらを事業へつなげようとしています。

USCPAは「取ったら人生が変わる資格」というより、

「取った後に、自分のキャリアをどうつくるかを考えられる資格」

だと思っています。

このブログが、資格取得の先にあるキャリアを考え、自分なりの一歩を選ぶための材料になればうれしいです。

今後も、私自身の挑戦と、そこから得た学びを発信していきます。


著者プロフィール

パラゴン|USCPA・CPA Australia

オーストラリア滞在通算約7年。現地の飲食ビジネスで店舗実務と経理を経験後、Big4で監査、会計アドバイザリー、国際税務に従事。現在は、日豪クロスボーダー事業「Paragon Global Partners(PGP)」を通じて、日本の飲食店のインバウンド集客、豪州進出、日豪M&Aに取り組むとともに、シドニーで現地法人の設立を準備中。Xでは「USCPAを取ったその先」をテーマに、CPA・海外・キャリア・事業について発信しています。

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