オーストラリアで会計学修士を取って感じたこと|海外大学院で会計を学ぶ意味

USCPA

オーストラリアの大学院で会計を学ぶことに興味があります。海外で会計を学ぶことにどんな意味があるのか、日本に帰国した後にも役立つのかが気になります。大学院の学位、必要な英語力や実務経験、CPA資格への可能性について知りたいです。

 

こういった悩みに答えます。

 

☑️この記事のポイント

  • 海外大学院で会計を学ぶ価値は、学位そのものだけではない
  • 会計を英語で学ぶことで、専門用語を英語で扱うことへの抵抗が小さくなる
  • 大学院で学ぶ会計と、会社で使う会計は同じではない
  • 会計学修士、USCPA、CPA Australia、実務経験はそれぞれ役割が違う
  • 留学を考えるなら、卒業後に何をしたいかまで考えておくことが重要

私はオーストラリアで会計学修士課程を修了し、その後、現地の企業で経理として働きました。

現在はUSCPAとCPA Australiaの資格を持ち、日本では監査、会計アドバイザリー、国際税務などを経験しています。

こう書くと、海外大学院で会計を学んだところから、そのまま会計専門職のキャリアにつながるように見えるかもしれません。

実際には、大学院で学ぶこと、資格を取ること、会社で実務を経験することは、それぞれ別の役割を持っています。

この記事では、オーストラリアで実際に会計学修士を学んだ経験から、海外大学院で会計を学ぶことにどんな意味があったのかを書いてみます。

オーストラリアで会計を学ぶという選択

海外留学というと、英語を学ぶことを最初に想像する人も多いと思います。

私の場合は、オーストラリアで生活する中で大学院へ進み、会計学を専攻しました。つまり、英語を使って専門分野を学ぶ環境に入りました。

英語を勉強することと、英語を使って会計を理解することでは、頭の使い方が違います。

授業の内容を理解し、資料を読み、課題に取り組むには、英語だけ分かっても十分ではありません。会計の考え方そのものを理解する必要があります。

反対に、会計を理解していても、英語で書かれている内容を読み取れなければ先へ進めません。

専門性と英語を同時に使う環境に身を置けたことは、海外で会計を学ぶ大きな特徴だったと思います。

会計を英語で考えることが普通になった

海外で会計を学んで良かったことの一つは、会計の専門用語を英語で見ることに抵抗がなくなったことです。

Revenue、Expenses、Assets、Liabilitiesといった基本的な用語だけでなく、会計について説明している文章そのものを英語で読むことになります。

英語を日本語へ置き換えてから考えるのではなく、英語で書かれた会計の内容を、そのまま会計として理解する機会が増えます。

これは後にUSCPAを勉強したときや、英語の資料を扱う仕事でも役立ちました。

ただし、海外大学院に行けば自然に高い英語力が身につく、という意味ではありません。

授業についていくためにも自分で勉強する必要がありますし、読む英語と、仕事で会話する英語も同じではありません。

それでも、「英語で専門的な内容に向き合う」という環境に長くいることには意味がありました。

以前の記事でも書きましたが、英語の価値は、それ単体よりも会計などの専門性と組み合わせたときに大きくなります。

会計×英語はキャリアでどう役立つ?という記事でも、この点について詳しく書いています。

大学院で学ぶ会計と、実務で使う知識には違うところも

一方で、大学院で会計を学んだからといって、そのまま経理や監査の仕事ができるわけではありません。

この違いは、現地企業で働いてみてよく分かりました。

大学では、会計の考え方や仕組みを体系的に学びます。

しかし実際の会社では、取引が発生し、請求書があり、売上があり、仕入れがあり、スタッフが働き、その結果として数字が生まれます。

数字の向こう側には必ず事業としての活動があります。

売上が変われば、そこには販売数や注文内容があります。原価が動けば、仕入れや棚卸資産の使われ方があります。人件費にも、実際の人の動きがあります。

教科書で勘定科目を学ぶことと、事業活動から数字が作られていく過程を見ることは別の経験です。

大学院で会計を学ぶことと、企業で経理を経験することの両方に違う価値があると言えます。

会計学修士とCPA資格は役割が違う

海外で会計を学ぶことを調べていると、Master of Professional Accounting、USCPA、CPA Australiaなど、複数の言葉が出てきます。

ここは分けて考えた方が分かりやすいと思います。

会計学修士は大学院で取得する学位です。一方、USCPAやCPA Australiaは会計専門職に関係する資格です。

そして、学位や資格を持つことと、会計実務を経験していることも別です。

私の場合は、オーストラリアで会計学を学び、現地で経理を経験し、その後USCPAを取得しました。現在はCPA Australiaも持っています。

どれか一つが、その他のすべての代わりになるとは感じていません。

大学院では体系的に学ぶ。資格では専門知識を一定の形で示す。仕事では、その知識を現実の取引や問題に使う。

目的が違うので、「どれが一番価値があるか」と一つに順位をつけるより、自分が次に何を必要としているかで考える方が実用的です。

海外大学院を卒業すれば現地就職できるわけではない

オーストラリアで会計を学びたい人の中には、卒業後にそのまま現地で働きたい人もいると思います。

ここは、大学院へ行くことと就職することを分けて考えた方がいいと思います。

大学院を卒業したことだけで仕事が決まるわけではありません。

採用では実務経験、英語でのコミュニケーション、募集されている仕事との相性、就労資格など、複数の条件が関わります。

私自身も、海外大学院を卒業したという事実だけで会計キャリアが完成したわけではありません。

もし現地就職を目指すのであれば、大学で何を学ぶかと同時に、「卒業時点で企業に対して何ができると言える状態にするか」を考えておく方が現実的です。

学位取得だけをゴールにせず、仕事まで含めて考えることが大切だと思います。

日本へ帰国してからも使っているもの

私はその後日本へ帰国し、監査法人、会計アドバイザリー、国際税務という仕事を経験しました。

日本で仕事をしていても、オーストラリアで会計を学んだときに身につけたものを使う場面は多々あります。

英語の会計資料を読むことへの抵抗が少ないこと。海外の関係者がいる仕事でも、英語そのものを必要以上に特別視しないこと。日本だけを前提にせずに企業活動を見ること。

一方で、日本の監査や税務で必要な専門知識は、日本で新しく学び直す必要があります。

海外で会計を学んだからといって、どの国でも同じ知識だけで仕事ができるわけではありません。

会計には共通する考え方がある一方、法律、税制、会計基準、実務慣行など、国ごとに確認しなければならないこともあります。

海外経験については、海外経験をキャリアで使える力に変えるでも別の角度から書いています。

オーストラリアで会計を学ぶことが向いている人

自分の経験から考えると、オーストラリアで会計を学ぶことと相性が良いのは、「海外へ行きたい」だけではなく、会計を英語プラスワンの専門性として身につけたい人だと思います。

英語環境で専門分野を学びたい。オーストラリアで生活しながら、現地で仕事をする可能性も考えたい。将来的に日本と海外の両方に関わる仕事をしたい。

こうした目的があるなら、会計をオーストラリアで学ぶことには意味があります。

一方、「海外の修士号を持てば自動的にキャリアが有利になる」という期待だけで進学すると、思っていたものと違う可能性があります。

大学院は、キャリアの完成品を渡してくれる場所ではありません。

そこで何を学び、卒業後にどんな仕事へ進み、どんな専門性を作るかは、自分で考えていく必要があります。

留学前に「卒業後に何をしたいか」を考えておく

もし今、オーストラリアの大学院で会計を学ぶことを検討しているなら、学校選びと同時に卒業後のことも考えておくことをおすすめします。

オーストラリアで働きたいのか。日本へ帰国して外資系企業やグローバル企業を目指すのか。USCPAなどの資格取得も考えるのか。会計以外の経験と組み合わせたいのか。

同じ会計学修士でも、その後の使い方は人によって変わります。

「修士号を取ること」自体を目的にするのではなく、卒業するときに、今より何ができるようになっていたいかから考えます。

その答えがあると、授業だけでなく、英語、実務経験、資格、就職活動にどのくらい時間を使うべきかも見えやすくなります。

まとめ|海外大学院の価値は、学位だけでは決まらない

オーストラリアで会計学修士を学ぶ経験には、大きな特徴やメリットがあります。

会計を体系的に学べたこと。専門的な内容を英語で扱う環境に入れたこと。そして現地企業で経理を経験するための土台を持てたこと。

一方で、大学院を卒業しただけで会計専門職として完成したわけではありません。

大学院で学ぶこと、資格を取ること、実務を経験すること。それぞれに違う価値があります。

オーストラリアで会計を学ぶか迷っているなら、「海外の修士号を取るべきか」だけではなく、そこで身につけた会計と英語を、卒業後にどんな仕事で使いたいのかまで考えてみるといいと思います。

海外大学院はゴールではなく、専門性を作るための一つの環境です。

その環境をどう使うかによって、卒業後に得られるものも大きく変わると思います。

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